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今回は花咲じいさんをテーマに自分を愛する心と、自分を粗末にする心について考えてみました。
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①花咲じいさん１
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
二人は子どもがいなかったので、シロというイヌをとてもかわいがっていました。
ある日、シロが畑でほえました。
「ここほれワンワン、ここほれワンワン」
「おや？ ここをほれと言ってい るのか。よしよし、ほってやろう」
おじいさんがほってみると、やっ、これはすごい！」
なんと、地面の中から大判小判がザクザクと出てきました。 |
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②有愛
自分が一番可愛いという思いのことを有愛と言います。自分の子供でも、必ずそこに「自分の・私の」とつくように、自分から見た関係で成り立っています。ですから、子供であっても自分の思うように育っている子供はよい子なのです。一方同じ子供でも・・・。
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③花咲じいさん２
この話を聞いた、となりの欲ばりじいさんが、
「わしも、大判小判を手に入れる。おめえのシロを、わしにかしてくれや」
欲ばりじいさんは、シロを無理矢理畑に連れて行きました。
そして、いやがるシロがキャンキャン鳴いたところをほってみると、くさいゴミがたくさん出てきました。「この役立たずのイヌめ！」
怒ったよくばりじいさんは、なんと、シロを殴り殺してしまいました。
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④非有愛
同じ人でも、自分にとって都合の悪いことがおきると、相手を憎しみの対象にします。憎しみの心というのは、時として愛しい人にも向けられる場合があります。さらには自分自身さえも憎しみの対象にしまうこともあるのです。それを非有愛と言います。
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⑤花咲じいさん３
シロを殺されたおじいさんとおばあさんは、なくなく、シロを畑にうめてやると、棒(ぼう)を立てておはかを作りました。
次の日、おじいさんとおばあさんがシロのおはか参りに畑へ行ってみると、シロのおはかの棒が、ひと晩のうちに大木になっていました。
おじいさんとおばあさんは、その木で臼(うす)を作って、おもちをつきました。
すると、もちの中から宝物がたくさん出てきました。
それを聞いた欲ばりじいさんは、臼を無理矢理(むりやり)かりると、自分の家でもちをついてみました。
しかし、出てくるのは石ころばかりで、宝物は出てきません。
「いまいましい臼め！」
怒った欲ばりじいさんは、臼をオノでたたきわると、焼いて灰にしてしまいました。 |
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⑥いのちの事実
いのちあるものは、必ず複数で関係しあって成り立っています。一つでは成り立ちません。手間もかかるし、お金もかかる。病気もするし、思い通りにならないのが実はいのちなのです。
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⑦愛
愛は多くの場合、相手を束縛し、愛憎と言われるように、憎しみと裏表です。
花咲じいさんでは、よいおじいさんと悪いおじいさんが二人いるように表現されていますが、実はどちらも自分の心ではないでしょうか。
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⑧当てにならない私の心
自分の心ほどあてにならないものはありません。私たちの心は、一瞬のうちに変わります。そのこころに振り回されていては、永遠に幸せを感じ取ることが出来ません。
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⑨いのちのつながり
現代は生命の危機を、ごく一般的な人でも感じ取れる時代になりました。それには多くの要素が絡み合って、なかなか解決がつく問題ではありません。ただ一つ言えることは、人間ほど弱い存在はないということです。依存しながら他を傷つけている存在。あるいは関係し合うことを嫌いながら、一方では孤独が一番怖い存在なのです。こんな私たちにこそ、仏様は智慧の光となって、「決して偉くはないぞ。間違えるな」と教えてくださっているのです。 |
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