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◎善知識 「一切梵行の因は善知識なり」 梵行（清浄・浄行・離欲）
私たちは、さまざまな人間関係の中に身を置いて生きています。しかし、多くの人たちに取り巻かれているにもかかわらず、孤立感に陥ることがあります。また、孤立を恐れて友だちに近づこうともします。どうしても抜けられない悩みが襲い、悶々とした経験はないでしょうか。それは、自分が本当に求めようとしているものが見えなくなっていることに起因するのです。私たちの本当に求めているものを教えてくれるのが善知識なのです。
１梵行←→悪行 「一切悪行は邪見なり」
文明のおかげで、人の世話にならなくてもよい時代。→人間関係崩壊
病む姿を見ることが少なくなった→苦労を嫌う
情報化時代→何が真実で何が本物かわかりにくくなった
邪見の内容は、自己自身がわからなくなったことによる。才能ある人は自己愛を充たすために努力もするし頑張る。しかし、そこに?慢心
高史明氏
「今日から君は中学生だ。これからは自分のことは自分で責任をとるようにしなさい。他人に迷惑をかけないようにすること。他人に迷惑をかけず自分のことは自分で責任をとるならば、お父さんはこれから一切君に干渉しないことにしよう」
→生きとし生ける者との連なりをすべて切り落とした言葉だった
「君は今日から中学生だ。ここに来るまでどれほどの人に迷惑をかけ、助けをいただいてきたことか。人間だけではなく、どれほど多くの生き物の助けをいただいていることか。今こそそれをしっかり知って欲しい。それこそが自分のことを自分で責任をとることの始まりになるのだ」
行の意味が明確化する
自らが導かれ、自らが教化され、自らが覚らしめられる
２如来の運動 仏言（善知識）を課題とする→信の問題として展開する
①信不具足の問題
「勝他のために経典を読誦する」 他人と論議して勝つこと
「利養のためのゆえに禁戒を受持せん」 評判がよくなるために行う
「他属のためのゆえにして布施を行ぜん」 財力・権力のあるものに従っていく
「非想非非想処のためのゆえに繋念思惟せん」
煩悩の世界（天上界）に振り回されている。欲望の一番高いところを目指して 生きている。
②聞不具足の問題
「六部を信じて未だ六部を信ぜず」 都合のよいところだけ聞いて他に説く。
自らが導かれることなく、苦楽損得毀誉褒貶のために持読誦説する。
自と他が完全に別のものとなっている。
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本師龍樹菩薩は 智度十住毘婆娑等
つくりておおく西をほめ すすめて念仏せしめたり
【意訳】
本師龍樹菩薩は『大智度論』『十住毘婆娑論』など、多くの論を書かれたが、その中で何度も阿弥陀仏の西方浄土を讃嘆して、人びとを念仏の道に導かれました。
①龍樹菩薩の生涯から学ぶ
１聡明な幼少期・青年期
２カースト制度など社会の矛盾から享楽主義へ
①聖典・経典に対する姿勢が知的になり粗末にしてはいないだろうか。
西方浄土を讃嘆する
龍樹菩薩のエピソードより
隠れ身の術の意味はなど・・・
慢心の正体など
縁起の法など
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本師龍樹菩薩は 智度十住毘婆娑等
つくりておおく西をほめ すすめて念仏せしめたり
南天竺に比丘あらん 龍樹菩薩となづくべし
有無の邪見を破すべしと 世尊はかねてときたまう
【意訳】
本師龍樹菩薩は『大智度論』『十住毘婆娑論』など、多くの論を書かれたが、その中で何度も阿弥陀仏の西方浄土を讃嘆して、人びとを念仏の道に導かれました。
「南インドに一人の僧が誕生するであろう。その人は龍樹菩薩と名づけられるであろう。その菩薩は、有の見（物質主義の執着）と、無の見（虚無主義）との誤りを論破して、仏教の正しい道にみちびくであろう」と、世尊(釈迦)は、すでに『楞伽経』で説いておられた。
有無の二見。見とは見解、考え。有の見と無の見。
有の見というのは簡単に言えば、人間が死んだらまた人間として生まれて来る、こういうような考えは有の見。無の見というのは、人間が死んだら灰のように消えてしまう。何んにもないのだというような考え。これをまた広げて言うと、有の見というのは、この我々が見ている現象は、絶対に有るものだという考えです。無の見というのは、現象の世界とは、夢のようなものである、何んにも無いと考える。有は存在があるということ。無は存在はないということ。我々が自分で、人生は何んにも当てにならんものだ、真実はないものだと考える。これが無の見であります。
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龍樹大士世にいでて 難行易行のみちおしへ
流転輪廻のわれらをば 弘誓のふねにのせたまふ
【意訳】
龍樹菩薩は世に出現して、仏法に難行易行の二道のあることを教え、生死の迷いに流転するわれら凡夫には、特に易行である本願他力の道を説かれたのであります。
１生死
有限性や表裏一体をあらわしている。
若さと老い。健康と病気。権力と畏れ。
２流転（水が流れてやまないように、水車が廻って終わりがない状態。立ち止まる ことがない、立ち止まることが出来ない状態）現代社会
苦・空・無常・無我（逃れることに右往左往）を見ない生活。
３大乗無上の法
親鸞聖人にとっての龍樹は、大乗無上の法を説いてくださった方。
小乗・・・個人的救い。しかし、個人的救いということはあり得ない。関係存在。 家族、職場。
大乗・・・大→多 私一人ではないということ。私が生きていくうえでつながりのある人々、そのすべてが本当に救われていく乗り物でなければ、私の救いにならない。
その時に大切なことは、一番力のあるものでなく、力の弱い人が中心でなければならない。十方衆生→一番劣った人間
大乗＝一乗 すべての人がともに一つになって歩める道。 皆 同 斉
小乗 龍樹の時代になっていよいよ明らかになってきた問題。釈尊存命中も説かれ た問題ではあった。
もっぱら釈尊の言葉にすがって生きる。どこまでも釈尊を基準にして絶対視 するところに小乗の問題が明らかになってきた。（七百年の歳月がかかった）
４難行→陸路
はじめて難行、易行ということを明らかにしてくださった。「路」一人一人が切り開いていく。どこかへ迷い込んでしまうかも知れない。「道」みなともに、大道。目的地につながっている。
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生死の苦海ほとりなし ひさしくしづめるわれらをば
弥陀弘誓のふねのみぞ のせてかならずわたしける （一回目）
【意訳】
生死の世界は苦しみばかりの海のように果てがない。この海に遠い過去より沈んでいる私たちを、阿弥陀如来の本願の船は、乗せてかならず渡してくださる。
１生死
①有限性 あらゆるものが有限 生の限りは死
健康の限りは病気 あらゆるものを二つに分ける（分段）
②迷い 生に振り回され死におびえる 動乱
我々の生活 問題を抱えながら、一つのことに集中しない消化不良
問題が定まらない 一心一向ではない
苦悩の世界がすてがたいというありかた
あればあったで苦しむ なければない
で苦しむ
③深い執着 自分の苦悩は捨てがたい 今までやってきた苦労に執着する
我執 過去に執着して未来を要求する
２苦海
難度海 生死流転の迷いの世界。救いがたい私たちを海に譬えられている。
①苦苦 「苦痛を苦とする状態」を意味する。「苦事の成るによって成立する苦」などと説明され、「寒熱飢渇によって生ずる苦」といわれるから、外的な、感覚的な苦である。このような苦が人間にとって第一段階の苦で、自然的、基礎的なものである。
病苦 怨憎会苦 求不得苦
②壊苦 「壊滅の苦の状態」である。「悪い方へ変化する」という意味で、好ましくない状態をあらわす。人間にとって好もしいと感ずる対象が、次々とこわされてゆく時に感ずる苦である。この壊苦は「心の変化に応じて生ずる苦しみ」の事を指しているとｍ考えられる。
老苦 死苦 愛別離苦
行苦 「生起の苦の状態」といわれる。「行」の意味は、「作られたもの」とい うことで、生存していること自体を指しているから、一切の存在が無常 であることによって感じとられる苦。とくに、人間生存の無常という事 実の中に感ずる苦であり、生存苦、生きること自身が苦であることを示している。
生苦 五蘊盛苦
苦苦も壊苦も、この行苦を根本として起ってくる。その意味で、行苦や五陰盛苦は、人間の根本的な苦を示す。仏教は、根本的には生きていること自体が苦であるという考え方をもととして、人間の「自分が」という我執こそ苦の根本であると言う。
「生死の苦海ほとりなし」。生は生きてゆく我慢。死は死ぬということ。この生死の二つの苦しみがある。の苦しみは辺がない。どこまでも苦しむ。果てがない。死ぬ苦しみは、死にようがなくて苦しい。我慢の苦しみは、生きようがなくて苦しい。それを色々の形に現わすと、八万四千の煩悩となる。
どこの家でも他から見れは、楽な家で苦もなかろうと言うが、皆持っておる。我が苦がなければ他の者の苦を持って来て心配しておる。皆ある。金のない者は、借金に責められるから苦しいのだと言うが、金があるようになると、端の者が取らんかと思って苦しんでおる。同じことである。田を持っておっても、不作であれば年貢米が取れんかと思う。田を持っておっても苦しい。田がなくても苦しい。人から大事にして貰ってもそうである。あの人はよい人だと云うて大事にして貰うと嬉しい。始めはお茶をどうぞと言われただけで、大事にしてくれると思われて嬉しいが、段々馴れれば、お菓子もくれん、大事にせんと言って腹立てる。始めは床の間に据えたって、次に床の上、次に上段、段々と上へ坐らにゃならん。どこまで上がっていってもやはり苦しい。下げればなお苦しい。男だって女だって同じことである。「生死の苦海はとりなし」とはそれである。
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生死の苦海ほとりなし ひさしくしづめるわれらをば
弥陀弘誓のふねのみぞ のせてかならずわたしける （二回目）
【意訳】
生死の世界は苦しみばかりの海のように果てがない。この海に遠い過去より沈んでいる私たちを、阿弥陀如来の本願の船は、乗せてかならず渡してくださる。
１苦（ドゥフカ）
思い通りにならない。また、嫌悪と空虚との二つの意味がある。すべてのものは苦である（一切皆苦）ということは仏教の旗印。（四法印）
①二苦 内苦（自己の心身から起こる）と外苦（悪賊や天災など外から受ける）。
②三苦 苦苦 壊苦 行苦 （前回）
③四苦八苦
２海の意味
①窮満
煩悩が満ちているところ、本願が満ちている。
阿弥陀様の機（すくいのめあて）を明らかにされている。
②転成
必ず凡夫の心を転じ変えるはたらきがある。（変革）
③不宿（屍しかばねを宿さず）
雑修雑善の自力の心
五逆・謗法
３海の性質
十の性質あり。（略）
大ざっぱに仏教と外道との区別をいうと、外道は長生不死、生を肯定し死を否定する。都合のよいことを取り入れ、都合の悪いものは捨てよう、要するに人間の根性をそのまま推し進めようというのである。これに対して仏教は欣浄厭穢である。欣はよろこび求める、浄は浄土、厭はいとう、穢は穢土、浄土をねがい求め、穢土をいとう、これが仏教の大精神である。浄土教だけが浄土を求めるのだと間違って考える人があるが、そうではない。仏教である以上、欣浄厭穢は当然の方向であり、これがあるから外道と区別出来るのである。欣浄厭穢がなかったら新興宗教と変わらないであろう。
長生不死の場合は都合のよいものは肯定し、都合の悪いものは否定する。それは何度も言うように人間心であり、人間心の全面肯定である。仏教はそういう人間心が穢であり、その心で出来上がっている世界を穢土と呼んでいる。
また、浄土を求めるだけでは浄土を求めることは成り立たない。浄土を求めるだけなら都合のよいことを求める心と区別がつかないであろう。浄土を求めることの裏には、穢土をという心、都合のよいことを求め、都合の悪いことを逃げようとするような人間心をいとう心というものがなければならぬ。人間心をそのままにしておいて浄土を求めるということは成り立たないのである。
純粋な宗教心というものは、人間並びに人間世界に対する深い絶望がある。ただ環境だけに絶望する人はいくらもあるが、それは宗教心ではない。やはり都合のよいことを求め都合の悪いことを避けようとする心を出ていない。世界は否定しているが、自分の心は否定していない。他人に絶望したり世間に絶望したりするだけが宗教心ではない。そういう世界をつくっている自分自身に絶望するのが宗教心である。しかしそれが人間にはできない。考えてみると人間が人間を厭うというのは容易ではない。人間の世界に対して人間は断ちがたい執着を持っている。時には絶望もするが、もう一つ深いところに執着しているから絶望し切れないのである。執著を持っている以上人間は苦しまなければならぬ。否定こそ人間の本当の救いであるが、人間において純粋な否定は成り立たない。
人間というものは往生ぎわの悪いものである。だから中々絶望ができない。しかし念仏によって本願に遇えば、往生ぎわの悪い人間が欲の深い現実のままに南無することができる。喜んで静かに頭が下がる。下げるのではない。念仏のはたらきとして自ら下がるのである。南無の心を姿かたちであらわすならば礼拝であり、それは自分の全体を投げ出した姿である。だから念仏は私の全体を投げ出すこと、つまり廻心である。人間が自分自身を立場として外にさまざまなものを求め、それによって苦しみをつくつている。そういう方向を翻すこと、それが廻心といわれ転身
ということ、今のことばで言うなら外の革命に対して内なる革命、つまり自己革命である。 （仲野了俊師） |
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本師龍樹菩薩は 大乗無上の法をとき
歓喜地を証してぞ ひとへに念仏すすめける
【意訳】
本師龍樹菩薩は、この上ない大乗仏教の法を説かれた。そして、菩薩の歓喜地の位にのぼり、我執を離れ、利他の菩薩行をおこなわれるなかで、喜びに満ちた境地を開かれ、人びとにひたすら念仏をすすめてくださった。
大乗無上法
親鸞聖人にとっての龍樹は、大乗無上の法を宣説してくださった方。
小乗・・・個人的救い。しかし、個人的救いということはあり得ない。関係存在。 家族、職場。
大乗・・・大→多 私一人ではないということ。私が生きていくうえでつながりのある人々、そのすべてが本当に救われていく乗り物でなければ、私の救いにならない。その時に大切なことは、一番力のあるものでなく、力の弱い人が中心でなければならない。十方衆生→一番劣った人間
大乗＝一乗 すべての人がともに一つになって歩める道。 皆 同 斉
小乗 龍樹の時代になっていよいよ明らかになってきた問題。釈尊存命中も説かれ た問題ではあった。
もっぱら釈尊の言葉にすがって生きる。どこまでも釈尊を基準にして絶対視 するところに小乗の問題が明らかになってきた。（七百年の歳月がかかった）
難行
はじめて難行、易行ということを明らかにしてくださった。「路」一人一人が切り開いていく。どこかへ迷い込んでしまうかも知れない。「道」みなともに、大道。目的地につながっている。
難行と言われる理由 『浄土論註』
①外道の相善は菩薩の法を乱る
利他行・社会事業 名聞利養
②声聞の自利、大慈悲を障う
自分自身の救いに陥る
③無顧の悪人、他の勝徳を破す
自分は立派、顧みることがなくなる
④?倒の善果、能く梵行を壊す
大変尊敬されて、そのことに惑わされる
⑤自力にして、他力の持つなし
一方に偏ってしまうということ
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本師龍樹菩薩の おしえをつたえきかんひと
本願こころにかけしめて つねに弥陀を称すべし
【意訳】
我々の師・龍樹が説く、難行道というより易行道である本願を信じ、念仏申す道を歩んでほしいという教えを伝え聞こうとする人は、自ら弥陀の本願を常に心にかけ、絶えず阿弥陀様の名号を称えるべきである。
①易行難信
龍樹菩薩が明らかにされたのは難行の道であった。自力を尽くされた方であり、そこから見えた世界が実は易行の道であった。易行とは、個人の力による努力を一切必要としないということであり、人間に対する深い悲しみをもった言葉でもある。
龍樹菩薩の教えに出遇った者は、苦悩する凡夫に仏を見出すという本願に心を懸けるということである。本願に心を懸けるということは、本願によって私の歩みが定まるのである。自己関心にのみ追われていた私たちの生活が、本願が教えとなってくる。ただ観念的に聞いていたことが、呼びかけとなってくる。呼びかけに触れるということは、常に心に懸けるということであり、時々思い出すということではない。そして、龍樹菩薩と私ということではなく、難行という道に執着する私への本願からの呼びかけなのである。
難信
念仏して浄土に生まれるではなく、寺の護持・地域社会とのお付き合いが中心になっている。自己満足になるか、智慧ととなっていただくのか。
易行 真実に行じてくださった。仏によってすでに与えられている行であるということ。（念仏が仏の行であるということがわかるということ）
１長時修 時々思い出してするようなことであってはならない
２恭敬修 常に仏の法を修行していくのだから、まずそこに尊敬の心というものが なければらない
３無間修 長い時間にわたるということ。長いだけではなくひまなくする（専ら）。 ポツポツと間が切れることがない。
４無余修 何でもかんでもということがあってはならない。阿弥陀の浄土に生まれ ようとするならそこに専念する。
②出遇いの教え 仏と出遇うのが仏道
我々の出会っているものは魔（自分自身を目覚めさせないもの）
まともに物事を見ない時代 自分を立てることを魔という
釈尊の降魔 女性の形をしている 好色
弓矢をもっている 権力・財力
（殺そうとする者）
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釈迦の教法おおけれど 天親菩薩はねんごろに
煩悩成就のわれらには 弥陀の弘誓をすすめしむ
【意訳】
釈尊が説かれた教えは相手によってさまざまな表現で数多く伝えられているが、その中から、天親菩薩は細かいところまで親切に心を配らせて、阿弥陀仏の本願を選びとって、煩悩に苦しみ迷うわたしたち凡夫にすすめてくださった。
釈迦の教法＝釈尊が説かれた教え。
ねんごろ＝「根が絡む」ということから来ている。地上では草木は一本一本別々だ
けれども、地中深くはお互い根が絡んでいる。一つのいのち。
弘誓＝阿弥陀仏の本願。
１釋迦の教法おおけれど
釈尊は、道を求めてくる人々と出会うと、それぞれの人々にふさわしい教えを説かれました。人々に説かれた教えがまとめられ、現在まで伝えられているのが「お経」です。その数が多いことから「八万四千の法門」といわれます。
天親菩薩は、釈尊が説かれたお経の中から『無量寿経』を選んで『浄土論』を書きあらわされました。『浄土論』は『願生偈』といわれるように、阿弥陀仏のもとに生まれたいという願いから著されました。その願いは天親菩薩ひとりの願いではなく「あらゆる人々とともに阿弥陀仏の浄土に生まれたい」という大乗の願いです。
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釈迦の教法おおけれど 天親菩薩はねんごろに （二回目）
煩悩成就のわれらには 弥陀の弘誓をすすめしむ
【意訳】
釈尊が説かれた教えは相手によってさまざまな表現で数多く伝えられているが、その中から、天親菩薩は細かいところまで親切に心を配らせて、阿弥陀仏の本願を選びとって、煩悩に苦しみ迷うわたしたち凡夫にすすめてくださった。
４．釈尊の生き方を通して普遍的人間の課題
『大経』八相成道
1. 降兜率相・託胎相
兜率天に処して正法弘宣し､ かの天宮を捨てて神を母胎に降す｡
兜卒天・・・妙足・上足・知足。将来仏になる菩薩が住む。
①兜率天（欲望の満足したところ・一切に自ら満足していることを知る）で、天人 に教えを説かれている。
自分の思い通りになる世界で何を説かれているのか。
→苦を避け楽を求める人生の克服。
自利利他の問題。自分だけが楽でいいのだろうかという問い。空虚。
②神を母胎に降す。
親の母胎に自分の意志で入った。自分の人生はいろんな縛りの中で、限定されて いるのか。→被害者意識の克服。
2. 出胎相
右脇より生じて現じて七歩を行ず｡ 光明は顕曜にして､ あまねく十方無量の仏土を照らしたまう。 六種に震動す｡ 声を挙げてみづから称ふ､ ｢われまさに世において無上尊となるべし｣ と｡ 釈・梵は奉侍し､ 天・人は帰仰す｡
①右脇より生じて カースト制度
首から生まれる バラモン（司祭者）
脇から生まれる クシャトリア（王侯・士族）右→清浄 左→不浄
腰から生まれる バイシャ（農民・庶民）
足から生まれる シュードラ（奴隷）
→名利心を捨てて生まれる。
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